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赤道儀の複雑な制御も、電子部品の進化にあわせて、第2世代までのTemmaに新たな技術を搭載し、第3世代としてデビューさせるときが来ました。第1世代は赤緯と赤経の軸が交互にしか回転しませんでしたが、第2世代以降は2軸を同時に駆動して導入時間の短縮を実現いたしました。第3世代はステッピングモーターの駆動システムを改善してさらなる進化をいたしました。
Temmaシリーズで一貫して採用しているサーボ制御方式は、オープンループ方式とは異なり、自動導入時には自分自身の赤経・赤緯の現在位置をリアルタイムで検出しながら、目標に向かっていくシステムです。このためにCPUは高速で複雑な数値計算能力が要求されます。本機のCPUは16bit CPUの中でも数値計算が特に高速なものを採用しています。また、豊富なオプション機能もご利用になれるような設計構造にしてあります。すべて自主開発ですから、必要とされる方にはRS232C通信仕様もノンサポートながら公開しておりますのでご利用ください。
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内蔵の主プリント基板の高実装密度化
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ステッピングモーターの駆動用LSIが大幅に小型化され、主基板に密着搭載すること ができました。その他の部品もプリント基板の表裏両面に実装することで小型高性能化を実現しました。
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第2世代のステッピングモーター駆動LSIの採用
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進み角の均一化 :ステッピングモーターの第1世代品のマイクロステップはステップ間隔が不均一で、とても天体の追尾としては採用できませんでしたが、第2世代品ではこれが改善されて理想に近いステップが刻めるようになり、初めて天体追尾に採用可能になりました。
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第1世代ドライバー用LSI
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ステップ量が均等でないのでマイクロステップ化してもムラ振動がでてしまう。このステップのムラが唸りになって現れます。
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第2世代(最新)ドライバー用LSI
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ステップ量がほとんど等しいのでワウフラッターが無く静かに回転する。
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※矢印の太さと長さで回転ムラを表現しています。 |
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恒星追尾時のステップの細密化:従来より2倍以上のマイクロステップが精密にかけられるようになったので同一回転数での刻みが多くなり、結果的に真の低振動化が実用になりました。日本の空のシーイングでは、旧Temmaの50ppsでも影響が有りませんでしたが、50ppsよりも100ppsの方が、より高倍率の観測に適していることはいうまでもありません。
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代表的赤道儀における
1パルスあたりの鏡筒の進み角度(秒時)(赤経値)
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機種名
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第1世代
Temma
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第2世代
Temma PC
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第3世代
Temma 2
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EM-10Jr./200Jr./200
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0.0398
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0.0199
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0.0099
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NJP
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0.0199
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0.0199
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0.0049
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EM-500
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0.0166
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0.0166
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0.0087
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モーターのパワーアップで12V電源でも快速駆動
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新Temma 2ではもう一つ、大きな進化が有ります。
それは、マイクロステップ型LSIとの組合せで、モーターの高速特性が格段に向上し、低い電源電圧(12V)でもTemma PCに比べて大幅にのびたことです。Temma PCで24V級の電圧でしか得られなかった高速性能が、12Vバッテリーで 引き出せるようになりました。これは移動観測者の方々にとって大きなメリットになります。
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第2世代と第3世代のTemmaの対電源電圧に於ける
高速駆動の比較表(赤経の例)
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赤道儀の型式
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Temma PC
(12V/24V)
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Temma 2
(12V/24V)
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EM10Jr.
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×50/150
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×120/250
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EM11Jr.
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−
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×120/250
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EM200Jr.
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×50/150
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×120/250
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EM200
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×200/400
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×350/700
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NJP
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×200/400
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×175/350
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EM500
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×200/400
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×260/520
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■Block Diagram |
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■低速・高速駆動時の加速・減速 |
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赤道儀にはバランスウエイトを始め多くの重量物が搭載されていて慣性モーメントが大きく、モーターが起動停止の時に急激な回転を与えると、大切なウォームギャーの歯を変形させてしまう可能性があります。このようなことが無いように、モーターの起動・停止時のSlow-UP/Down特性を最適に設定しています。
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■彗星・月・惑星の追尾
(THCハンドコントローラーが必要) |
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本機には、赤経を恒星追尾から外して赤緯とともに任意の速度に設定できる彗星追尾機能があります。対象天体の一日の移動ベクトルを入力することで赤経赤緯の両軸をおのおの独立した動きをさせることが可能です。月面を長焦点高倍率で撮影するときなどこのシステムを使いますと長時間露出が可能になってきます。
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■手動制御と自動導入制御 |
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前述の台形増減速システムの増減速度の傾斜を、各赤道儀に合わせて設定してありますから、天体をファインダーの十字線に合わせるときなど、「始めチョロチョロ・中パッパ・終わりチョロチョロ」式の感覚操作で、粗導入から微妙なセンターリングまで高速モードだけで出来てしまいます。
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■ピリオディックモーションの補正と
オートガイド装置との相性 |
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赤道儀のウォームギアの精度に起因するピリオディックモーションの補正はオーバ ーシュート(過修正)をしないために、撮影焦点距離とガイド鏡の焦点距離によって補正率を微妙に選択しなければなりません。本機の制御システムは補正率を段階的に自由 に設定できますから正確なガイドが可能です。
オートガイドからの接点出力のように増速/減速(±100%だけ)の2者択一式の補正信号を受けても、その中間的な補正率を編み出せますのでオーバーシュートの発生を押さえ込むことが出来ます。
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■スタンバイ機能 |
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観測中のコーヒーブレークとか雲が出てきたときなど、観測を一時中断したいとき明晩に続きの観測をしたいときなどには、モーターのスイッチだけをOFFすればOFFしたときの位置を基準にして、赤経赤緯値が内部でリアルタイムで更新され続けて、次回のスタートのときの初期設定の手間を省略できる便利な機能です。
ただし、スタンバイ中に停電とか外来雑音(雷衝撃波)などの混入によって内蔵のCPUがリセットしてしまう場合があります。このことを知らずに再動作させますと正常な動作をしなくなり、危険ですから事前に確認が必要です。スタンバイ時の消費電流は約0.1〜0.15A程度です。
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■赤経駆動ギァー系のバックラッシュの補正 |
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赤経駆動系は常時恒星追尾しているので反恒星時方向に移動するときにバックラッシュの影響を受けてしまいます。自動導入動作の時には極軸が東に向かう回転をするときに、目標を少し通りすぎて戻す回転をさせて、バックラッシュをキャンセルしています。
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■全地球対応 |
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Temma 2はパソコンまたはハンドコントローラー(別売)を使えば地球上どこでも自動導入観測が可能です。(観測地点の経度・緯度・標準時などを入力する) また付属のハンドボックスでは南半球での観測の場合、極軸の回転方向を逆にすることが出来ます。
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実導入例(星像)
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離れた天体間(広域)の連続自動導入例
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レグレス
(スタート)
赤経10h8.4m/
赤緯+11°58′
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コールカロリ
(導入先)
赤経12h56.0m/
赤緯+39°19′
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レグレス
(リターン)
赤経10h8.4m/
赤緯+11°58′
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※EM-200赤道儀+FC-76鏡筒(焦点距離600mm)+1/2インチビデオカメラ使用。ノートリミング。(レグレスと近傍の恒星との角距離約3′) |
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接近した狭い範囲内での連続導入例
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SAO132331
(スタート)
赤経05h35.56m/
赤緯-04°50.3′
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SAO132336
(導入1)
赤経05h35.66m/
赤緯-04°51.4′
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SAO132320
(導入2)
赤経05h35.39m/
赤緯-04°50.4′
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※EM-200赤道儀+μ-180鏡筒(焦点距離2160mm)+1/2インチビデオカメラ使用。 |
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※赤道儀の設置の仕方で導入精度は大きく変わります。
この写真例はあくまでも一例としてご覧ください。 |
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電源電圧12V、( )内は瞬間突入電流値
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Temma 2シリーズ
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EM-
10Jr. |
EM-
11Jr. |
EM-
200Jr. |
EM-
200 |
NJP
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EM-
500 |
恒星時
(約**PPS) |
100
|
100
|
100
|
100
|
200
|
115
|
RA最高速
(対恒星時) |
×120
|
×120
|
×120
|
×350
|
×175
|
×260
|
DEC最高速
(対恒星時) |
×120
|
×120
|
×120
|
×350
|
×175
|
×260
|
恒星時消費電流
(A) |
0.25
|
0.25
|
0.28
|
0.42
|
0.44
|
0.52
|
両軸高速時
(A) |
0.88
(1.1)
|
0.88
(1.1)
|
1.42
(1.58)
|
0.94
(1.4)
|
0.71
(2.1)
|
0.73
(1.5)
|
スタンバイ時
(A) |
0.16
|
0.16
|
0.16
|
0.16
|
0.16
|
0.16
|
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電源電圧24V、( )内は瞬間突入電流値
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Temma 2シリーズ
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EM- 10Jr. |
EM- 11Jr. |
EM-
200Jr. |
EM- 200 |
NJP
|
EM- 500 |
恒星時
(約**PPS) |
100
|
100
|
100
|
100
|
200
|
115
|
RA最高速
(対恒星時) |
×250
|
×250
|
×250
|
×700
|
×350
|
×520
|
DEC最高速
(対恒星時) |
×250
|
×250
|
×250
|
×700
|
×350
|
×520
|
恒星時消費電流
(A) |
0.22
|
0.22
|
0.26
|
0.35
|
0.35
|
0.39
|
両軸高速時
(A) |
0.9
(1.2)
|
0.9
(1.2)
|
1.94
(1.96)
|
1.07
(1.55)
|
0.84
(1.70)
|
0.76
(1.45)
|
スタンバイ時
(A) |
0.16
|
0.16
|
0.16
|
0.16
|
0.16
|
0.16
|
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※上記の数値は、暫定値であり予告なく変更される場合があります。
また、製品固体ごとに若干の差異が有りますことをご承知ください。
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対応ソフト |
・テレスコープトレーサー2000 (タカハシ) ・ステラナビゲーターVer.7,8 (アストロアーツ)
・ステラギア (アストロアーツ)
・THE SKY Ver.6 (日立ビジネスソリューション)
・SUPER STAR IV (SEEDS BOX)
・TemmaPC NAVI (BITRAN)
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Temma 2はTemma PCと同一の通信仕様になっています。導入ソフトに機種選択のウインドウがある場合は「Temma PC」を選択して下さい。そのままご利用いただけます。
尚、対応ソフトに対する問い合わせは、メーカー各社にお願い致します。 |
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