新しく設計した3群3枚の対物レンズは、中央にスーパーEDガラスを配置し、前後をクラウンガラスで挟んだ、スズ箔分離式のアポクロマートレンズです。 この望遠鏡は、眼視と写真撮影それぞれで最高レベルの光学性能を目標に開発しました。青〜紫の色収差(F線、g線のハロー)は、前モデルのフローライト・アポクロマートと比較して約1/3以下に減少しています。眼視性能に関しては、人間の目の分光感度に比重をかけたストレール比(回折限界以内に何%の光が収束するか)が 99.2%とTOAシリーズと同等のほぼパーフェクトな性能です。 また冷却CCDカメラやデジタル一眼レフカメラの撮影では、TOAシリーズ用の35フラットナーやレデューサーとのマッチングがとても良好です。35フラットナー使用時には、35mmサイズ全面で可視光波長の全てが10ミクロン以内に収まります。レデューサーを使用したときでも、中心で10ミクロン、最周辺でも約20ミクロンというフラットフィールド特性を持っています。スライドフードの採用により、収納時の全長が870mmと口径120mmの鏡筒としてはコンパクトで、持ち運びに適しています。 フラッグシップ機であるTOAの性能はすでに多くの方がご存じかと思いますが、高価なため二の足を踏んでいる方も多いと思います。そこで、軽量、コンパクトでコストパフォーマンスに優れ、もっと手軽に大口径屈折の魅力を堪能していただける望遠鏡、それがTSA-120です。