●現代仕様の光学系 コンパクト機にふさわしい光学系を念頭に置いて企画・設計をおこなった結果、改良型ペッツバールとでも呼べる、中心から35mmフルサイズのイメージサークルであるφ44mmまでを重視した製品が誕生しました。
画面中心からφ20mmほどまでは兄貴分のFSQ-106EDを上回る高性能です。φ44mm(35mmの四隅)では約30ミクロンと平坦性はやや劣りますが、APSサイズの撮像素子が主流のデジタル一眼レフカメラや冷却CCDでの撮影が主体の現在の環境には、必要にして十分な光学系だと考えました。 眼視性能は、f/5.3の基本状態で眼視ストレール比が95%、EDガラスを使用した新設計のエクステンダーED1.5xを使用したf/8の時で98%以上と、FSQ-106EDを上回る高性能な望遠鏡です。
●対象に応じて選べる焦点距離
FSQ-106ED用として設計したレデューサーQE0.73Xを使用すれば、327mm f/3.8 というカメラレンズ並みの焦点距離と明るさで、収差性能では高性能望遠レンズを上回ります。φ44mmあたりで30ミクロン以下の星像です。
もちろん、エクステンダー ED1.5xを使用しても、基本状態やレデューサー使用時と同等のフラットフィールドな性能は維持しています。
このようにFSQ-85EDは、327mm f/3.8、450mm f/5.3、680mm f/8.0と3種類の焦点距離を使い分けることができます。それぞれの焦点距離において、眼視、撮影ともに光学性能に妥協はなく、最高水準のフォトビジュアル コンパクトテレスコープに仕上がっています。
●減速微動装置を標準装備
FSQ-106EDで好評の新型減速微動装置を標準装備しています。1:7の減速比により、細かいピント調整が可能です。
●周辺減光の減少
FSQシリーズ以外の機種は、光量が60%以上ある範囲をイメージサークルとして表示していますが、FSQ-85EDの場合、ペッツバールタイプの性格上光量60%のところではやや星像が肥大してしまします。よって、RMS-SPOTサイズが30ミクロンまでの範囲をイメージサークルとしました。この位置の光量は70%以上あるので、デジタルデバイスでの撮影でも周辺減光が目立ちにくくなります。
●専用KBプレート
4枚玉のFSQシリーズは接眼体側にもレンズが入っているため、カメラや冷却CCDを付けると、どうしても接眼部側が重くなってしまいます。赤道儀に搭載したときのバランス対策として専用のKBプレートを用意しました。レボルビング時にカメラとプレートの干渉を避けるため、鏡筒バンドの取り付け部を高くしてあります。
●エクステンダーED1.5X (近日発売)
新設計のEDガラスを1枚使用した2群2枚構成の、50.8mmスリーブ仕様エクテンダーです。FSQ-85EDのほか、TOA-130、TOA-150、TSA-102にもマッチングが非常に良くなるように設計しています。TOAとTSAに使用した場合、フラットナーの後に付ければ、完全にフラットフィールド(FSQ-85EDは直接付けてフラットフィールド)になります。
なお、FSQ-85EDは従来のエクステンダーQ1.6xとのマッチングはあまり良くないのでおすすめできません。FSQ-106ED、SKY90、FS-60CBなどは、エクステンダーQ1.6xの方がマッチングが良好です。
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