恒星時駆動時のステッピングモーターの周波数は240PPSと、とても細かい回転です。ステッピングモーターは止まっては動くを繰り返しますから、周波数が小さいモーターを使った赤道儀で惑星を見ると、細部が見えなかったりカクカクと動いて見えたりします。240PPSとは、日周運動の1秒間で動く距離を240分割して回転することで、ステッピングモーターを使った恒星時駆動ではとても滑らかな回転です。最近主流になったデジタル機器での惑星観測でも、EM-400 Temma2Mを使えば、光学系の性能を余すことなく発揮できます。
口径の大きい鏡筒を移動して使うとなると、EM-400 Temma2Mクラスが必要になることがあります。少しでも移動観測が容易になるように、メインユニットと架頭ユニットを分離できるようにしました。また、ウオームネジにエンコーダーを接続してあってもエンコーダーをボディー内部に収納し、運搬しやすくトラブルの防止にもなる、凹凸の少ないデザインです。
EM-400 Temma2M 赤道儀のコントロールボックスは、駆動ボタンの他にモード切替ダイアル、駆動速度切り替えスイッチ、修正速度設定用ボリューム、オペレーションモードスイッチが付いていますので、これらの駆動系操作を手元の小型コントロールボックス一つで操作できます。 ボリュームによる修正速度の調整は、対恒星時の±1〜99%に設定ができるので、オートガイダーの設定がやりやすくなっています。 オペレーションモードスイッチとは、駆動ボタンを押した方向に視野の星が動くように、各駆動ボタンを押した時に赤道儀の反応する方向を切り替える機能です。オートガイダーが普及した現代では、以前ほど重要度は高くないと思いますが、眼視でもボタンを押した方向と反応方向が合わせられるのは操作性の向上になります。
極軸セッティング時の月日と時間を合わせるだけで、北極星の導入位置が簡単に分かる歳差補正目盛付時角早見式極軸望遠鏡を内蔵しているので、精度の高い極軸セッティングが短時間でできます。 また、このスケールの基準を設定するためのリングレベルを装備していて、経度補正目盛と合わせて使うと、どこでも正確に極軸合わせができます。
赤緯体上部のバンド受けのネジ穴は、弊社が小型赤道儀に採用している8mm×2とNJPタイプの10mm×4 のどちらの規格でも取り付けることができます。ほとんどのバンドやプレートがそのまま取り付けられるマルチタイプです。
テレスコープトレーサーなど対応ソフトをインストールしたパソコンと接続すれば、EM-400Temma2M赤道儀は天体の自動導入ができます。エンコーダーからの信号をフィードバックしながら、500倍の高速でターゲットを捉えます。