EM-200 TEMMA3 赤道儀
(三脚は別売)
特徴
■多機能コントロールボックス

ハンドコントローラーに液晶ディスプレイ(LCD)を組み込んだので、赤経・赤緯値の表示や設定項目の確認ができます。

従来機よりもお客様によってカスタマイズできる項目が数多くあり、使用環境に則して設定が可能です。

TEMMA3はハンドコントローラーの操作で、ガイド速度、中速度設定、高速度設定、加減速時間、追尾速度、極望照明の照度などの設定ができ、現在の設定状況をLCDで確認できます。

従来機は高速と修正速度の2スピードの選択でしたが、TEMMA3 は中速を追加して3スピードとしました。加速の無い等速の中速は、手動では快適に導入できます。中速速度はハンドコントローラーから設定します。

修正速度の設定はLCDで確認しながら対恒星時の1〜99%に設定ができるので、オートガイダーの調整に便利です。

ハンドコントローラーのボタンを押した方向に視野の星が動くように、修正ボタンを押した時に赤道儀の反応する方向を切り替えられるオペレーションモード機能はTEMMA3にも引き継いでいます。眼視ではボタンを押した方向と反応方向が合わせられるのは操作性の向上になります。

■USB と RS232C で有線接続

TEMMA3は周辺機器との接続を電源インターフェイスに集約しています。これまでのEMシリーズ赤道儀は赤道儀パネルの電源ジャックに電源を接続していましたが、TEMMA3は電源インターフェイスを経由して赤道儀に電源を供給します。
電源インターフェイスは無線LANチップを内蔵していて、パソコンとは無線と有線のどちらでも接続できます。有線接続はRS232CとUSBで接続できます。

電源インターフェイスの左側にはパソコンと接続するためのUSB端子(USB2.0 Type-B)、RS232C端子(オス)、電源入力端子があります。 右側には赤道儀用電源スイッチ、赤道儀パネルと接続する端子、DC5V 0.5Aを出力するUSB端子があります。

電源を投入すると、赤道儀用電源スイッチの状態にかかわらず、無線LANとUSB出力端子が有効になります。
駆動する電源は、DC10.5V〜24Vと幅を持たせた対応となっています。手配しやすいDC12V、電流を押さえられるDC24Vと状況に応じて選べます。電源入力端子は不用意に抜けないようにロック付きを採用しました。ここには従来のDCプラグも差し込めます。


■赤経・赤緯駆動モーターと電子回路をすべて赤緯体に内蔵

TEMMA3の赤道儀パネルには、ハンドコントローラー、電源インターフェイス、オートガイダーを接続するコネクターがあります。
ハンドコントローラーと電源インターフェイスは、ワンタッチコネクタを採用した柔軟性のあるケーブルで接続します。
オートガイダーの端子はTemma2Zと同じRJ-12形状の端子です。

赤緯体には赤経・赤緯駆動用のステッピングモーター2個とそれぞれの駆動ギア、駆動用電子回路をすべて内蔵しました。赤経・赤緯共にウオームホイルによる全周微動で、コントロールボックスから赤経・赤緯の両軸の高速駆動及びガイド修正の操作できます。

■スマートフォンでワイヤレス導入

TEMMA3 は標準で無線LANを内蔵しました。日本語表示にも対応した天文アプリの SkySafari 6* を使って、スマートフォンの操作で自動導入が行えます。Wi-Fi接続できるWindowsパソコンは、仮想COMポートドライバをインストールし対応ソフトを使うことでワイヤレスで導入できます。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからも自動導入ができるので、観望会などでは便利に使えます。
*SkySafari 6 Plus と SkySafari 6 Pro で可能。SkySafari は Simulation Curriculum社のアプリです。

■時角早見スケール入り極軸望遠鏡を内蔵

極軸セッティング時の月日と時間を合わせるだけで、北極星の導入位置が簡単に分かる歳差補正目盛付時角早見式極軸望遠鏡を内蔵しているので、精度の高い極軸セッティングが短時間でできます。
また、このスケールの基準線を設定するためのリングレベル(経度補正目盛付)も装備しています。

■バランスシャフトを赤緯軸内に収納

赤緯体下部のクランプをゆるめて、赤緯軸内のバランスシャフトを出し入れします。これにより、ネジ込み式のような脱着のわずらわしさから解放されます。

■安全機能

◎ハードウエアリミットスイッチを標準装備
テレスコープウエストのポジションで子午線を過ぎて追尾していったとき、鏡筒が三脚に干渉するのを防止するため、恒星時駆動時をしていて赤道儀パネルが水平を過ぎてから約10°傾くまでに、3つのLEDが点滅しLCD画面に「Horizontal Limit」と表示してモーターが停止します。恒星時駆動が停止しても座標は失いません。
復帰はハンドコントローラーか自動導入アプリの方向操作で行います。
この機能はOFFにも設定できます。

◎オーバーハングリミット機能
テレスコープウエストのポジションで赤緯軸のバランスウエイト側が鏡筒側より上にならないように、ハードウェアリミットスイッチとリンクして、ハードとソフトの2重の安全機能を備えています。許容角度を超えると、LCD画面に「Overhanging」と表示し3つのLEDが点滅してモーターを停止します。
復帰はハンドコントローラーか自動導入アプリの方向操作で行います。
この機能はOFFにも設定できます。


●方位・高度座標を記憶して待機する機能があります。座標はEE-PROMに記憶するため、電源をOFF/ONしても座標を記憶しています。待機位置は天頂や水平方向など自由に設定できます。
起動は自動導入コマンドで行います。

●電源ケーブルは、ロック式DCプラグとシガープラグをペアにした専用のものが付属します。

仕様
形式 2軸モーター内蔵ドイツ式赤道儀
赤経微動 ウオームホイル全周微動 (減速比180:1)
5相ステッピングモーターによる電動駆動(手動は不可)
高速、中速、修正速度の3速切替
赤緯微動 ウオームホイル全周微動(減速比180:1)
5相ステッピングモーターによる電動駆動(手動は不可)
高速、中速、修正速度の3速切替
方位微動 ダブルスクリュー方式、可動範囲±15°
傾斜角微動 スクリュー式、可動範囲 高度0°〜 50°
目盛環 赤経:最小目盛10分
赤緯:最小目盛2°
ウエイト 5kgが2個付属
駆動方式 両軸駆動、水晶発振制御、回転誤差±0.05%(対恒星時)
駆動周波数 約196pps
最高速 赤経方向:恒星時の約800倍速
赤緯方向:約±12000秒角/sec
補正駆動 赤経方向:0.01〜1.99倍
赤緯方向:±0.1〜14.85秒角/sec.
ハンドコントローラーの操作で設定
PCインターフェイス ・USB2.0 Type-B
・RS232C端子(オス)インターリンクケーブルでPCと接続
自動導入 パソコンを接続することにより可能(要対応ソフト)
SkySafari6 をインストールしたスマートフォンから無線で可能
PC用対応ソフト ・テレスコープトレーサー2000 (タカハシ)
・ステラナビゲーターVer.11 (アストロアーツ)
・ステラショット2 (アストロアーツ)
・SUPER STAR V (Seeds Box)
・TheSkyX (Software Bisque)
無線LAN APモード、STAモードに対応
Wi-Fi機能搭載のWindowsパソコンは仮想COMポートで接続
安全機能 ハードウエアリミットスイッチを標準搭載
オーバーハングリミット機能
待機機能 任意の位置で待機設定が可能
電源入力ジャック 内径φ2.1mm 外径φ5.5mm ロック付き
電源電圧 DC 10.5V 〜 24V
消費電流 最大60W
外形寸法 / 質量 電源インターフェイス : 175 x 91 x 43 mm / 410g
ハンドコントローラー : 78 x 126 x 28 mm / 170g
搭載質量 約17kg
質量 16.5kg