2017年 3月 1日
■二枚玉フローライトでTOA型に肉薄する性能
一般的な2枚玉のアポクロマートレンズは、波長ごとに球面収差が異なること がコントラストと分解能が悪化する原因になっています。弊社のTOA型望遠鏡は3枚のレンズを最適な間隔に配し、波長ごとの球面収差と可視光領域の軸上色収差を無くすことで、色収差が無いと言えるほどの光学系を作り上げていま す。しかし2枚玉レンズでも組み合わせるガラスの分散と屈折率、最適な間隔 を与えることで、口径と口径比によってはTOA型と同様に波長ごとの球面収差と軸上の色収差をほぼゼロにすることが可能であることを発見しました。 FOA-60ではこの原理を利用して、今まで弊社ではフローライトと組み合わせたことがないレンズを使い、2枚のレンズを理想の間隔に配置することで高次の球面収差のバランスをとり、色収差のほとんどない対物レンズを完成することに成功しました。
近年のフローライトやEDを利用したアポクロマート望遠鏡は、天体写真を意識した短焦点望遠鏡が多く、色収差を減少させるために眼視収差を犠牲にした製品が多く見受けられます。 FOA-60は2枚玉の本体のみで眼視ストレール比96.1%、専用の4枚玉のエクステン ダー1.7XRを装着すると眼視ストレール比99.8%、しかもフルサイズ 周辺まで99%以上のストレール比を維持します。 FOA-60は天体望遠鏡でもっとも重要である眼視性能に徹底的にこだわった製品です。現在市販されている6cmクラスの望遠鏡とは、覗いた瞬間に見えの違いが分かるほどの差異があるハイ・パフォーマンスの対物レンズを装備しています。 68mm径のスリムな鏡筒にスライドフードの採用、50.8mm対応のストロークの長い接眼体など、軽量コンパクトで高級な本体と超高性能な光学系が合体した鏡筒は、日食観察等で海外へ持ち出すのにも最適です。 このようにFOA-60はTOA型に肉薄する性能を持った、ミニTOAと呼ぶにふさわしい高性能機で、世界的にも類を見ないユニークな望遠鏡に仕上がっています。
FOA-60 仕様
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形式 |
フローライト オルソ アポクロマート |
有効口径 |
60mm |
焦点距離 |
530mm |
口径比 |
1: 8.8 |
鏡筒径 |
68mm |
鏡筒全長 |
570mm (フード収納時は510mm) |
質量 |
1.8kg |
ファインダー |
6倍30mm または 無し |
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