2020年 5月25日
自動導入対応赤道儀 TEMMA は電装品をリニューアルして TEMMA3 へステップアップし、これからシリーズ展開していきます。
スマートフォンでワイヤレス導入
TEMMA3 は標準で無線LANを内蔵しました。日本語表示にも対応した天文アプリの SkySafari 6* を使って、スマートフォンの操作で自動導入が行えます。Wi-Fi接続できるWindowsパソコンは、仮想COMポートドライバをインストールし対応ソフトを使うことでワイヤレスで導入できます。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからも自動導入ができるので、観望会などでは便利に使えます。
*SkySafari 6 Plus と SkySafari 6 Pro で可能。SkySafari は Simulation Curriculum社のアプリです。
USB と RS232C で有線接続
TEMMA3は周辺機器との接続を電源インターフェイスに集約しています。これまでのEMシリーズ赤道儀は赤道儀パネルの電源ジャックに電源を接続していましたが、TEMMA3は電源インターフェイスを経由して赤道儀に電源を供給します。電源インターフェイスは無線LANチップを内蔵していて、パソコンとは無線と有線のどちらでも接続できます。有線接続はRS232Cに加え、ご要望の多かったUSBでも接続できます。
電源インターフェイスの左側にはパソコンと接続するためのUSB端子(USB2.0 Type-B)、RS232C端子(オス)、電源入力端子があります。 右側には赤道儀用電源スイッチ、赤道儀パネルと接続する端子、DC5V 0.5Aを出力するUSB端子があります。
電源を投入すると、赤道儀用電源スイッチの状態にかかわらず、無線LANとUSB出力端子が有効になります。
駆動する電源は、DC10.5V~24Vと幅を持たせた対応となっています。手配しやすいDC12V、電流を押さえられるDC24Vと状況に応じて選べます。電源入力端子は不用意に抜けないようにロック付きを採用しました。ここには従来のDCプラグも差し込めます。
※写真の電源インターフェイスはラベルシールですが、製品は本体へ印刷しています。

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ハンドコントローラー
ハンドコントローラーに液晶ディスプレイ(LCD)を組み込んだので、赤経・赤緯値の表示や設定項目の確認ができます。
従来機よりもお客様によってカスタマイズできる項目が数多くあり、使用環境に則して設定ができます。
TEMMA3はハンドコントローラーの操作で、ガイド速度、中速度設定、高速度設定、加減速時間、追尾速度、極望照明の照度などの設定ができ、現在の設定状況をLCDで確認できます。
従来機は高速と修正速度の2スピードの選択でしたが、TEMMA3 は中速を追加して3スピードとしました。加速の無い等速の中速は、手動では快適に導入できます。中速速度はハンドコントローラーから設定できます。
修正速度の設定はLCDで確認しながら対恒星時の1〜99%に設定ができるので、オートガイダーの調整に便利です。
ハンドコントローラーのボタンを押した方向に視野の星が動くように、修正ボタンを押した時に赤道儀の反応する方向を切り替えられるオペレーションモード機能はTEMMA3にも引き継いでいます。眼視ではボタンを押した方向と反応方向が合わせられるのは操作性の向上になります。
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赤道儀パネル
従来機では赤道儀パネルにあったインターフェイスや設定スイッチの機能をハンドコントローラーと電源インターフェイスに割り振ったため、赤道儀パネルはシンプルになりました。
TEMMA3の赤道儀パネルには、ハンドコントローラー、電源インターフェイス、オートガイダーを接続するコネクターがあります。
ハンドコントローラーと電源インターフェイスは、ワンタッチコネクタを採用した柔軟性のあるケーブルで接続します。
オートガイダーの端子はTemma2Zと同じRJ-12形状の端子です。
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安全機能
◎ハードウエアリミットスイッチを標準装備
テレスコープウエストのポジションで子午線を過ぎて追尾していったとき、鏡筒が三脚に干渉するのを防止するため、恒星時駆動時をしていて赤道儀パネルが水平を過ぎてから約10°傾くまでに、3つのLEDが点滅しLCD画面に「Horizontal Limit」と表示してモーターが停止します。恒星時駆動が停止しても座標は失いません。
復帰はハンドコントローラーか自動導入アプリの方向操作で行います。
この機能はOFFにも設定できます。
◎オーバーハングリミット機能
テレスコープウエストのポジションで赤緯軸のバランスウエイト側が鏡筒側より上にならないように、ハードウェアリミットスイッチとリンクして、ハードとソフトの2重の安全機能を備えています。許容角度を超えると、LCD画面に「Overhanging」と表示し3つのLEDが点滅してモーターを停止します。
復帰はハンドコントローラーか自動導入アプリの方向操作で行います。
この機能はOFFにも設定できます。
●方位・高度座標を記憶して待機する機能があります。座標はEE-PROMに記憶するため、電源をOFF/ONしても座標を記憶しています。待機位置は天頂や水平方向など自由に設定できます。
起動は自動導入コマンドで行います。
●電源ケーブルは、ロック式DCプラグとシガープラグをペアにした専用のものが付属します。

●構成部品を黒からシルバーに変えて意匠変更を行っていますが、メカニカル部の基本仕様に変更はありません。
●機能アップした TEMMA3 はEM-11TEMMA3赤道儀から順次発売いたします。
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