2020年 7月10日
16cmハイパーボライド・アストロカメラ EDレンズを携えて覚醒!
1984年6月、アストロカメラの草分けとしてε-160が登場しました。それから36年の間に起きたデジタル化の流れに対応すべく、ユーザー様へのサービスとしてデジタル対応補正レンズを数度発売して参りましたが、デジタル対応補正レンズを組み込んだ鏡筒は販売しておりませんでした。
しかし市場に出回っているε-160の数は限られていて新品では入手できないため、再販を望む声を多くいただきました。
そこでε-130Dの扱いやすさとε-180EDの高性能が融合した、ε-160EDを発売することになりました。ε-160EDは、明るさよりも性能にプライオリティーを置いた設計思想のもと、双曲面主鏡の非球面係数と補正レンズの関係を最適化した設計を新規に行いました。
※写真のEM-200TEMMA3赤道儀は発売に向けて準備をしています。詳細につきましては発表までお待ちください。
ε-160ED 仕様
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形式 |
ハイパーボライド・アストロカメラ |
有効口径 |
160mm |
斜鏡短径 |
63mm |
補正レンズ |
2群2枚(内1枚はEDレンズ) |
焦点距離 |
530mm |
口径比 |
1: 3.3 |
イメージサークル |
φ44mm (画角: 4.8°) |
メタルバック |
56.2mm |
鏡筒径 |
204mm |
鏡筒全長 |
580mm |
質量 |
6.9kg |
ファインダー |
オプション |
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■ε-160EDの特徴
ε-160EDの補正レンズはEDガラスを使用し、相玉となるレンズは光学設計シミュレーションを繰り返し、最も相性の良い硝材を採用しています。 徹底した収差補正を追求する事で、フルサイズ最周辺でRMS 3ミクロン以内という回折限界のスポット像が得られました。 オリジナルの旧ε-160と比べると、RMS スポット径で 1/10程です。
「ε-160/ε-130用デジタル対応補正レンズ」を取り付けたε-160との比較でも、RMS スポット径は約1/5という比類なき高性能な光学系です。
※ε-160EDの補正レンズはε-160ED専用品です。ε-160ED以外の機種では、主鏡の非球面係数も異なりマッチングしないので使用できません。
また、オリジナルの旧ε-160の弱点であった歪曲収差(ディストーション) も、 ε -160ED は1/3にまで抑えています。(フルサイズ周辺で約0.3%)。屈折望遠鏡のTOAにフラットナーを併用した場合の歪曲収差が0.2%ほどですから、 ε-160EDの歪曲収差は、ほとんど意識する必要が無いレベルに達していると言えます。このことは、位置解析による導入補正(プレートソルビング)の精度向上やモザイク合成のしやすさに反映されます。このようにデジタル時代にこそ真価を発揮するのが ε-160EDです。
ε-160EDのような f/3.3の短焦点鏡では、斜鏡の中心を光軸と一致させて取り付けると焦点面での光量が偏ってしまうので、広視野のアストロカメラではその影響を無視することができません。 そこで斜鏡を偏心させて取り付けることにより、斜鏡を必要以上に大きくすることなく、光量の偏りの問題を解決しました。 また斜鏡を保持するスパイダーは、現行のイプシロンと同じ羽根式を採用しています。
主鏡の保持方法はε-180EDと同じ構造で、裏面を3点で支持して側面から押さえています。前面は全周を押さえています。主鏡の光軸調整ネジは、ε-130Dと同じTOA方式で引きネジの両側に押しネジを配した仕様です。中央の蓋は、主鏡を早く外気温に馴染ませるために、外せる構造になっています。また、ネジの頭部がセルの下部リングより外側に出ない構造ですので、鏡筒を立てて置くことができます。
レボルビングが簡単に行えるように回転装置付接眼体を継承しています。接眼体の台座は旧型よりも大型化して、接眼体回りで発生するたわみの軽減を図っています。
ファインダー台座は接眼体の側に一つ付いています。ここに6倍30mmか7倍50mmのファインダー脚が取り付けられます。
自動導入赤道儀が普及して、ファインダーは必須アイテムという時代ではなくなりましたので、ファインダーはお客様の使用環境に合わせてお選びください。
一見するとε-130Dと同じ色合いですが、新装なったε-160EDはカラーリングも変えています。鏡筒は黄燈色のパール塗装になりました。また、接眼体、上部・下部リング、主鏡セル周り、ファインダー台座はブルーブラックで塗装しています。
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