■イプシロン光学系とは
凹面鏡一面きりパワーを持たないニュートン式反射では、ペッツバール条件を満たせないので像面の平坦化はできません。凹面鏡と凸レンズ(レデューサー系)を組み合わせるとペッツバール条件をゼロにすることが可能であり、完全に像面の平坦化を実現できます。補正レンズで平坦な像面を作っておいて、残存する球面収差とコマ収差を主鏡面の双曲面化で補正したのがタカハシ独自のイプシロン光学系です。
■デジタル時代のイプシロン ε-180EDは、タカハシ独自のイプシロン光学系をさらに進化させた新製品です。新らしく設計した2枚玉補正レンズは、凸レンズにEDガラスを使用し、シュミットカメラを上回るほどの完璧な収差補正を実現しました。従来型と比べてると、近紫外域から赤外域までの色収差量は約半分です。またF2.8という、イプシロン光学系では限界に近い明るさにもかかわらず、画角5°のところでも約10ミクロンと三分の一の収差量です。従来型の欠点であった歪曲収差(ディストーション)も約三分の一まで小さくなっていて、周辺光量も短径80mmの大きな斜鏡により可能な限り改善しています。 このように、ε-180EDは完璧な星像が要求されるデジタル天文時代にタカハシが自信を持って世に送り出す最高のアストロカメラです。
■最高の研磨技術
一般に双曲面の研磨は大変難しいとされていますが、双曲面の主鏡を量産できる当社の研磨技術と、すでに定評のある光学設計技術とが、この画期的な光学系を現代の要求を満たすようにさらに進化させました。
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